心太の俳句



切なさが君に似る五月

切れ長の眼だ 思い出すまい

捨てるべき 波よ砕けよ

ララバイか 霧笛




1997年3月 香港にて

雑踏アジアの純真にはなれず

老婆のピアス浚渫船

シャラップ 早すぎたバカンス

MTR 小心月台間隙

回廊の赤き柱のぬくもりか

鳥の町男たちの無言

美式コーヒー 阿片のキセルの長さかな

くらい午後歯のない鬼の笑い顔

なくなりしと聞く青天白日の村



大志なき人生もよし風花す

寒雷や父の望みは知らざりき

宿酔いに訪う鳥や二月尽

父の忌や金木犀の匂い立つ



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