時雨るや不惑を過ぎてなお惑い
時雨るや束子で洗う足の裏
目覚めれば 夜の鉄橋
2050年まで止まらぬ時計
土手を走る少年 落ち鮎の川
むず痒し母の十八番(おはこ)の
掌の梨の重さや遠き富士
秋の夜のモデムの点滅
踏み切りは開かない 赤いかんな
やっと夕焼け
やっと私
12時である。
さやけきや風来坊の律義な死
とろろ汁
無花果の熟れるがままの日和かな