宇宙開闢に間に合わなんだ (心太)
遅ればせながら春光送ります (英子)
寝過ごしたか銀河か細き (心太)
天衣三日の月に懸けしまま (英子)
蝸牛が宇宙をなめまわす (心太)
塩ふれば蝸牛角振り立てて (英子)
俺の目以外で俺をみたい (心太)
こっち見てわたくしをさくらんぼ (英子)
ずっと知っていたはずだ 初対面 (心太)
夏の夜のデジャヴユーあなたに耳がない (英子)
インサートという手もあったか (心太)
厄介な文書に挟む紅葉かな (英子)
笹さんからのメールはいつも突然にとびこむ。
短く一行、「今度ジョイントしましょう」。
「ノー」という応えはそこに全く想定されていない。
そして、私にも「ノー」という応えの持ち合わせがない。
笹さんの句の魅力はそこにある。男性的で直線的。
その直線は悲しみの重さに撓うことなく剛直だ。そして
それはよりあわされた繊細な詩という金属線でできている。
今回のジョイントは、先に笹さんの自由律の句が私に送られてきた。
公理のような句。そこからふくらんできたものを私が有季定形の句
にした。いにしえの歌垣もこんな風だったかしらと思う楽しさだった。
芦塚 英子