作者サクシャ 兼題    選者センジャ 理由リユウ
TARA 28「カメラ」 予感を撮る  お嬢 はっとされました。
TARA 28「カメラ」 予感を撮る 
TARA 37「雨」 雨の夜の海の底の君の雨 殷蘭 ポランスキーが与える印象に似た語感。大変気に入りました。
TARA 48「ベランダ」 少年の罪 ベランダの亀 ヒビ 少年の罪でありそれを許した家庭の罪である。ベランダの姿からも家庭像が浮かんでくる
TARA 48「ベランダ」 少年の罪 ベランダの亀   ヨル 短い言葉で核心に迫っている。少年と亀との相似と対比が哀しい。
アキラ 29「携帯ケイタイ電話デンワ ほな電車きまっさかい切りまっせ  不可フカ
お嬢 46「枕」 枕ごと男を替えた 梅雨は明けない
ニポポ 50「花火」 恋人になる父と母 今夜は花火 どれみ
のぶえ  35「橋」 座禅草あの八橋を渡りたし 氷心
のぶえ  46「枕」 走り根を枕に一寸宇宙まで TARA 自然との融合。エクスタシーの瞬間。
みち 33「階段」 猫の仔の階段のぼる伸び縮み 久光良一 「伸び縮み」が、うまく状態をとらえていて面白い
みち 35「橋」 橋の下で泣いていました 蛇が泳いでゆきました 暁兵 詩のある句と思います。
みち 40「皿」 乾いて候 河童の恋 ホタル 50回通して、一番インパクトの強かった句。恋をして河童の皿の大事な水が乾いている状態がなんとも言えずユーモラスにせまってくる。もちろん、河童に託して、人間の恋を表現したかったのだろう。
みち 40「皿」 乾いて候 河童の恋  TARA 可笑しくて切ない
ユズヒコ 32「島」 敷ぶとんは僕の島 のぶえ
久光良一 31「ケーブル」 ぴんと張って 海がつなぎとめられている 兎角 俳句とは時に見えているものに入り込む行為だと思う。
久光良一 38「箸」 箸にも棒にもかからぬ生をそれでも生きている 殷蘭 感動の一言。
久光良一 45台所ダイドコロ しあわせはまな板の音から明けてくる朝  ヒビ キッチンは家の事情の反映、まな板の音は寝覚めを心地よくする。かつて娘時代の朝を思い出した。今私はどんな音を作っているのかな?
暁兵 26「時計」 時計を投げ捨てた 海が膨らんだ 久光良一 時間を忘れて自然に溶け込む気持ちがよく現れている
暁兵 47「布団」 短日や盗人のごと蒲団干す  お嬢 定型俳句であることのすばらしさを感じます。さすが暁兵さんと思わせる一句だと思います。
暁兵 47「布団」 短日や盗人のごと蒲団干す 亜子
27「鞄」 網棚に上げましょうかと渋い声 のぶえ
29「携帯ケイタイ電話デンワ 青き踏むケイタイ電話オフにして 暁兵 21世紀文明を象徴するかもしれないケイタイ電話を、伝統的俳句に詠みこんで、見事
33「階段」 螺旋階段のぼりきったら 迷路 オジャラ サグラダファミリアで、そんな経験がある。風が吹いて、気持ちよかった。精神的に煮詰まってるときにも、この俳句のような気持ちになる。
39「椀」 魚扁が挑んでくる 鮨屋の湯飲み 久光良一 読めない字があると気になるものですね。
33「階段」 階段の途中 やめた 
26「時計」 止まらないとまらない あたしの血時計 オジャラ 生きているという感じとか、熱い想いとか出ていていいと思う。勢いがあるし。
床眠 46「枕」 開かれた頭に侵入する夢魔のありて 枕も呻くや 殷蘭 ボバリー婦人の開頭手術みたいなマイナーシーンに来て一転メジャーコードでうめく枕。気に入ってしまいました。
彰岳 34「坂」 坂を丸めて飲み込む 暁兵 発想に度肝を抜かれました。
昭雄 37「雨」 夕立やひとのかたちに濡れてしまう アキラ 覆っていたものが濡れてみんな同じ「ひと」になってしまった。言葉の選択によって当たり前の光景がこんなにも思慮深い句になる。感動しました。
昭雄 37「雨」 夕立や ひとのかたちに濡れてしまう  ホタル 夕立の濡れ方、「ひとのかたちに濡れる」思いがけない措辞に、ずぶ濡れで走る人間の姿が見えるような臨場感がある。
昭雄 37「雨」 夕立や ひとのかたちに濡れてしまう  ヨル 突き放した視点が見事。濡れそぼる姿の滑稽さをさりげなく見せる。
34「坂」 仕立物いたし枡 本郷菊坂雨ざんざん 兎角 俳句とは時に見えているものをそのまま受け取る行為だと思う。
36「雲」 茜雲 マントでおいでひとさらい ヨル 賢治的な風景に叙情を感じる。遊び心も楽しい。
心太 29「携帯ケイタイ電話デンワ メルトモリセット ケイタイカエル どれみ
心太 31「ケーブル」 千人の綱引き 午後から陰る村 氷心
心太 32「島」 孕んだ女が島の夕日を売っている 亜子
心太 37「雨」 雨の匂い もうすぐ 不可フカ
素人 38「箸」 爺っちゃんの好きだった箸 持たせっぺ 兎角 俳句とは時に見えないものを形に残しておきたいという願いだと思う。
素人 47「布団」 干しあがる布団にそっと母を置く のぶえ
兎角 27「鞄」 無傷の鞄 震災忌 お嬢 言葉はいらないですね。そのままの光景を思い浮かべればそれでいい。
兎角 34「坂」 坂道予報あなたうさぎになりなさい    亜子
兎角  46「枕」 炎天のビル傾いて膝枕 アキラ 横たわったときの視線の動きがリアル。傾くビルと炎天のとりあわせも効いてます。動きのある句で、読んでいて一瞬めまいのような実感があります。
南十字星 32「島」 太陽神降り来たる島は霧雨に眠る オジャラ バリ島を思い出す。島はどちらかというと、豪雨に眠ります。
32「島」 ひょうたん島は1回降りたらもう乗れない アキラ 誰でも持っている子供のころの思い出。一度離れたらもう戻れない、過ぎ去っていって取り戻せないもののいとおしさに胸を打たれました。忘れられない句です。
32「島」 ひょうたん島は1回降りたらもう乗れない どれみ
32「島」 ひょうたん島は1回降りたらもう乗れない 心太トコロテン りたいけれどもうれないものがたくさんあるね
43「クシ モズの速贄 突き刺さってるのは私 心太トコロテン 自嘲ジチョウえて自虐ジギャクまでいったかな
28「カメラ」 レンズが瞬く わたしは情報になる ヒビ カメラと言うものの役目を言い得ている。
39「椀」 細い指が似合う塗り椀 走り梅雨 TARA なんて色っぽい
48「ベランダ」 花のバルコニー 銃口を隠している  不可フカ
48「ベランダ」 花のバルコニー 銃口を隠している  ホタル 意外な取り合わせ。 川柳のうがちにも通じる意外性に、詩情も加わっている。
48「ベランダ」 花のバルコニー 銃口を隠している  心太トコロテン そうハナはカムフラージュいつでもね
50「花火」 遠花火 貨物過ぎ行く単線路 氷心