その8 「一、世人俳諧をくるしみて、俳諧のたのしみを知らず。 趣向を定むるに心得有。工夫は平生に有。 席にのぞみては無分別なるべし。」 一、俳諧をなさるかた、良く聞きますのはな 良い句の上手のと思う余り、もうなんですな 俳諧が苦労の種になってしまう、 俳諧ってのは、楽しい、良いものなんですが そのおもしろさがわからない、ただもう苦労の種 こりゃあつまらないことで 実は、句を考え、行き方を思いつきますに ちょっとしたこつがございます 常日頃でございます、 あたりまえのような所でもよくよく見れば 面白いことも多くございます、ほう、と気付かれるのも大事 書物に親しまれるのもよろしかろう、 名人上手の句もごらんになればまたなにか ほかにもいろいろ、これはすべて、普段の心得、普段のことでございます 一旦、席に入り、皆様と歌仙を巻くとなりますと これみんな忘れてしまう 常日頃の、修練、みんな忘れて初めての心でのぞみます ただただ、なにも無い心で始める、これでございますな